電子書籍と紙の書籍のメリット・デメリットについてをまとめておりましたが、予想以上に要素が多くなってしまったため、複数ページにわたっての紹介となります。
これらの要素については自分が実際に使っていった中で、感じた思いなどをいくつかの括りとしてまとめてみました。
構成の都合上、長所・短所が対となってしまうことについてはご了承いただきたいです
スペースを取らない
当たり前の話ですが紙の本の場合、文章量・蔵書数が多いほど本が占めるスペースは多くなります。
いくら薄い紙の集まりとは言え、いくら小さいサイズの文庫本などもあるとは言え、それらが寄り集まればかなりのスペースは取られてしまいます。
たとえとして文庫本サイズを考えてみます。320ページほどの文庫本であった場合、高さ15cm、幅10.5cm、厚さ1.6cmとなり、体積は252cm³となります。縦横比が違いますため単純な比較ではないですが、500mlのペットボトルを用いた場合、2冊で約1本分のスペースがとられてしまうわけです。これが20冊、40冊、60冊以上…となった場合やよりサイズの大きい本でそろえた場合はかなりのスペースを割くこととなってしまいます。
本を多く集める人の場合には一部屋まるまる本で埋め尽くされてしまっている人もいるでしょう。図書館などがその例になります。
しかし電子書籍の場合、そのスペースは端末一台分で事足りることになります。それこそ、たとえ図書館並みの蔵書を電子書籍で所有していた場合、その分のスペースをまるまる確保することができます。
部屋が狭い場合などにも、個人の収納スペースが小さい場合などにも電子書籍は向いているといえます。
時間場所を問わず読める
読書を行いたい際、読書の環境自体を整えることから始める必要があります。まず文章が読めるだけの光源を確保する必要があります。人によっての必要量は違うかと思いますが最低でも300ルクス以上は必要となります。
そして本を広げるためのスペースも必要です。文庫本などは肩幅くらいのサイズで十分ですが、週刊誌などは18.2cm×25.7cm=467.74cm²の面積が必要となります。
広げたうえでページをめくるための奥行きが必要となりますし、まためくる手を動かすための可動域も確保する必要があります。
そのため、夜や物陰であったり、机が小さい場合であったり、あるいはバスなどの中で、といったように満足に本を読めない状況というのも多々出てくるわけです。
また、紙自体の弱点としては火気・水気も挙げられます。火が燃え移るような近さで本を読むことはあまりないとは言え、水に関しては身近な脅威です。人によっては風呂場で本を読みたいと思う人はいるでしょうし、外でバスを待つ場合などは雨にも気を付ける必要ががあります。
電子書籍の場合はそれら多くを自前で解決することができます。液晶画面からの明りで光量は確保できますし、端末のサイズに依存するためスマートフォンでの読書であれば、スマホ分のスペースだけで十分です。水気の場合には専用ケースを用いないといけない場合もあるかもしれませんがそれでも水没したりしない場合には多少の水では平気です。
持ち運びが容易
「スペースを取らない」に通ずるものです。やはり紙の束とは言え、集まれば10何kgの重さとなってしまう、ということもあります。先ほどの書籍を例にとれば、320ページの本は?グラムとなり、500mlの水入りペットボトルで換算すると?本分ということになります。
本の種類によってはページが厚紙でできていたり、表紙が重い素材でできているということもあるためそうした場合にも重くなっていきます。辞典など、大きく重い物については?kgの重さにもなります。これはやりようによっては鈍器にも達する重さです。
重いということは持ち運ぶのに不便でもあります。なので荷物をできるだけ軽くしたい旅行にとっては厄介な問題でもあります。時間をつぶすこともあるだろうである旅行にて1冊の旅行ガイドブックもできれば惜しみたいという状況も起こりうるでしょう。
電子書籍であれば蔵書の総重量がたとえ100kg以上になったとしても端末の重さ1台分で事足りることとなります。どんなに重い辞典でも片手で読めることと同義です。
ラインマーカーの場所がすぐわかる
参考書など参照したい記述がある書籍であったり、小説など印象に残った台詞がある書籍においては該当の個所をマークしておいて後から読み返したいときもあるでしょう。そうした際には付箋を貼ったりマーカーを引くのがいいのですが、紙の本では付箋は外れたりマーカーはどこに引いたのかわからなくなることもあるでしょう。
そうした場合において電子書籍の場合はマーカーを引いた場所を別にリストとして保存して置けるため、「何のためにマーカーを引いたのか」「どこにマーカーを引いたのか」といったことも参照することができます。
シリーズものをすぐ読める
漫画本や小説は多くの場合シリーズものとして設けられています。本を読み終わり次の巻を読む際は本棚に戻して次の巻を持ってくる必要があります。電子書籍の場合、読み終わった後は数タップで次の巻を読むことができるようになります。
サービスによっては読み終わった時点で次の巻を開きますか?と表示されるものもあります。
また読み終わった後、次の巻ではなく前の別の巻を読み返したいと思った場合にも電子書籍のほうが優れています。
シリーズによっては合本版という複数の巻が1つの巻に集約された版もあります。その場合は開きなおさずとも別の巻を読めるものもあります。
隠ぺい性が高い
電子書籍というサービスにおいては今何を読んでいるかを悟られないという特徴もあります。
例えば青年誌など読んでいる様子を気取られることも、本棚に並べなくともよいです。
ソフトにロックをかければ、勝手にみられることもなくなります。
文字の大きさを変えられる
書籍の種類にもよりますが、書籍内の文字の大きさを変えて読みやすくすることができます。文字の大きさや行間を変えて自分の読みやすい文章を作って読むことができるのです。
また、漫画も拡大機能を使って細部を読むことができます。どの程度の解像度で読めるのかはサービスや利用している端末による場合もありますが、気になった点を読める点は利点といえます。
複数の端末で同期できる
これは紙の書籍の利点というよりも電子書籍と比べることでできた特徴といえます。
同じ書籍を2冊持っていたとしてもどこまで読んでいたか?というのは揃えられません。
しかし電子書籍の場合、同じサービスで同じデータをダウンロードしていた場合、オンライン上で同期していれば別の端末で開いた場合でもどこまで読んでいたのか?をクラウド上で記憶でき、それを別の端末にデータとして送ることができます。
全く違う場所、違う端末で、同じアカウントでオンラインにつなぐことさえできれば、続きをいつでも開けるというのは特に複数の端末を扱う人にとっては利点であることを強く感じられると思います。
検索機能
文章中、わからない単語や言い回し、洋書訳も電子書籍ならオンライン上である場合簡単に確認することができます。
また、書籍のなかでこの単語やこの文字は書籍中のどこに出てきたのか、という検索も行うことができます。この機能はシリーズを一挙に検索できるという点で合本版で力を発揮するケースもあります。
目次から直接目的の場所を開ける
紙の書籍の場合、「あの章を読みたい」と思った場合、目次を開いて何章にあるのかを見て何ページにあるのかを確認しパラパラとめくりながら目的の場所まで探していく、という手間があります。
手間がかかるくらいで済めばいいのですが一歩間違えれば先のページまで読んでネタバレしないとも限りません。
電子書籍の場合、目次からタップすれば、あるいは章のリストをタップすれば直接その章まで開くことができます。
以上長所を10点紹介しました。
次回では電子書籍の短所を上げていきます。